投資信託を暴く

販売会社・投資信託会社等に勤務する仲間がチームで書いてます。

「0次選考」とは何? 投信会社への転職について<エージェント編②>

お久しぶりです。

毎年このシーズンはどの業界も転職が活発になる時期です。

なぜなら、12月のボーナスを目の前にして転職を決意し内定。
そして、勤務先に辞意を表明し、年内は有給休暇を消化しだす時期だからです。

そこで、今回は好評だった前回に引き続き、

 

hatekinyu.hatenablog.com

 

今や転職の要となるエージェントさんに注目します。

 

今やエージェント抜きの転職はほぼムリ

今や、中途採用の転職はアセマネ業界に限らず、エージェント会社に委託している会社がほとんどです。

でも、転職活動を経験している方は、

いや、面接は全てアセマネ会社の社員だったよ

というはずです。

もちろん面接は、そうです。

しかし、振り返ると、このブログをご覧になっている皆さんの中には、転職サイトで「良いポジションだな」と思って申し込んでも翌日、早ければ当日にお断りされた経験はないでしょうか?

これが今回のタイトルの

0次選考

です。

 

Kayoko Beautiful_0001

 

エージェントによる0次選考に何の意味があるのか?

 

まず、企業の人事セクションの手間を省くためです。

今や転職サイトに一度職務経歴を掲載すれば、ボタンをポチッと押すだけで応募できる時代です。

1人だけしか募集するポジションに何百人と申し込まれるわけです。

そんなの企業の人事はいちいち読むことはできませんよね。

 

その「ふるい」としての機能をエージェントは果たすわけです。
つまり、あなたの職務経歴を企業に提出する前にエージェント段階で箸にも棒にも引っかからない人を落とすわけです。

例えば1000万円のお給料を払う人材の場合、一般的にはその方の年収の30%程度を半年後ぐらいに企業はエージェントに支払います。

つまり実に一人を雇うのに300万円ものお金を払うわけですが、それでも企業は利用するのです。

なぜか?

想像してみてください。

朝から晩まで押し寄せる数百人の応募書類を採用すべき限られた期間までに取捨選択が出来ると思いますか?そのためにバイトを雇う?いやいや個人情報が流出する可能性もありますし、募集する業務が何の業務かも分からないはずです。

だから、高いお金を払って企業は人材エージェントに委託するのです。

でも困っちゃいますよね。

企業に到達もしないのに、落ちるなんて。

歪曲

0次選考の攻略法はこれぐらい

 

そのあなたがやりたいなと思うポジションについて、転職サイトで検索して良くみると・・・同じポジションを複数のエージェント経由で募集しているのです。

 

この結果どういうことが起きるのか?

同じポジションであっても、

Aというエージェントでは、エージェント段階で落選。

Bというエージェントでは、企業に応募してもらえる。

という事態が起きます。

 

なぜこんなことが起きるのか?

それは主に

  1. エージェントのそのポジションに対する業務経験の差異
    業務は理解できないけど何となく企業の人事から聞いた・求人票に書いてある条件に職務経歴書が合致している・していないと思う
    年齢・性別が企業の人事が言っていた条件と少しでも違うと機械的に落とす
  2. エージェントのその企業の人事に対する食い込み方の差異
  3. 的はずれな応募者の書類を提出することにより、企業(人事)側の信用を失う恐れがある

があるからです。

それを理解している転職賢者は同じポジションでも複数のエージェントにひとまず申し込むわけです。

さらに中高年層の転職賢者は、

行動をします。

なぜかといいますと、これらの大規模の人材紹介会社は若年層向けポジションを数で稼ぐ傾向があり、かつノルマも苛烈(転職希望者は彼らにとって単なる「商品」ですよ!)と聞きます。

よく転職系のブログで見られる「○○○さんは良いですよ」はアフィリエイト狙いかと。

さらにこれら大規模人材紹介会社は新卒で入社するケースが多い、つまりその対象となる会社・業種・職種の業務経験が無い人が多いのです。

よって40代以上の転職希望者は転職サイトでそれらの会社経由でポジションに申し込んでも、その0次選考で機械的に即斬りされる傾向があるのです。

さらに大規模エージェント会社は、

  • 求職者に接する人
  • 企業の採用担当に接する人

が分業化されている傾向があります。

それもあって、的はずれなポジションを紹介してきたり、話が通じないケースもよくあります。

転職賢者は、同じポジションを掲載している業界業務経験豊富な小規模なエージェントを探し、そこ経由から申し込みます。

よく大手エージェント会社さんのページを見ると、「親身にご相談にのります」とありますが、それは、

0次選考通過者、もしくは通過見込みがある人だけ

と思っていいです。箸にも棒にもかからない人はそんなことはまずしません。

また、最近は小規模なエージェント会社さんでも、ホームページ等に書いてある、

「親身にご相談に応じます」

といったことを実践せず、メールベースで定型文を送信しておしまいとする傾向にあります。

それほど、昨今は求職者が多い傾向にあります。

一方、エージェントの得意分野に金融とざっくり書いてある場合も、全く当てになりません。

金融といっても証券会社や商品先物の若手リテール営業を中途入社させるのが得意なケースも多いのです。間口が超狭いアセマネ会社とは全くケースが異なります。

アセマネ会社に在籍経験がある人材エージェントは、ごくごく少数です。

そりゃそうですね。ただでさえ業界人口が1万人程度しかいない業界なのですから。

あくまで当メンバー間での話ですが、アセマネ会社の求人を扱っている人材紹介会社で当メンバーが接触したエージェント15名について情報交換した結果、アセマネ会社に在籍経験がある、もしくはあったと推定されるエージェントはたったの5名でした。大部分は証券会社と銀行出身、新卒からエージェント会社でした。

ここから推測されることは、大手で無くとも、業界経験が無いエージェントさんが0次選考をしている、ということです。

もっとも証券会社や銀行出身が多いのは事実ですので、新卒入社も多い大手エージェントさんよりはマシと言えばマシです。

くれぐれも、やりたいポジションに大手エージェントさん経由ばかりで申し込んで、自分は「もうムリ」と思って「業界未経験可!」「未経験でも月収50万円も可能」とか書いているブラック企業に転職しないように注意してくださいね。

寒い

同じポジションでスカウトメールが複数来た場合はどうするか?

 

これは実績あるエージェント経由で申し込むのが一番です。

その実績とは、

  • その業種・職種の業務経験がある
  • その中でも高い職階に就いていた
  • 人づてに評判がいい

といったところです。

もし分からない場合はこのブログ経由でコメントをください。ご回答します。

ついでに書きますと、人材紹介会社や転職会社のページには、非公開求人多数!コンフィデンシャル案件!などと書いているケースがありますが、ごく少数の「本当のヘッドハンティング会社」(「○○アソシエイツ」さん等)以外はそんな求人は存在しません。

日本では知らぬ間に単なる人材エージェントをヘッドハンターと呼ぶようになりましたが、全く別物です。

単にそのエージェントさんがその会社の人事に食い込んでいただけで、他の会社さんのページを見ると普通に掲載されていたりします。

なお、この時期の面接は、転職希望者が多いので、面接から次のステップへの面接への結果連絡が遅くなる傾向があります。なぜなら企業側も「もう少し良い人材がいるのではないか」と思うからです。

当メンバーの人事担当経験者に聞くと、結局は待ってみても良い人材は現れないのがほとんどのようですが(笑)

ただし、企業側の書類選考は早いです。エージェントが0次選考をすでにしているので、ある程度厳選されているからです。さらに、良い人材に限って面接への案内は早いです。早い人はエージェントが午前に書類を送ると、夕方には面接の案内が来るケースも聞いたことがあります。

残念ながら1週間待っても返事がない場合は、まず落選と考えて間違いないでしょう。書類選考の通過率は、人事担当経験者に聞くと、1〜2割程度だそうです。一人の募集のポジションであれば、数人しか面接が出来ないので、書類審査が一番の激戦となります。

そして1次面接の通過率はその半数以下といいます。つまりこの時点でエージェント経由で100人書類審査を申し込んでも、4〜5人程度になるそうです。

日本のアセマネ会社の場合は二次選考通過で事実上の内定です。概ね1人のポジションにつき、2人程度に絞られています。

海外、とりわけ米国の場合はやたらと面接回数が多いです。その理由はまた別の機会で。

その後は、形だけの役員面接や人事面接が2回程度があり(最終は年収等条件の相談会の様相)、よっぽどのことが無い限り内定です。

上に書いた2人程度というのは、1人は本命で、1人はサブです。

大抵の内定者は複数会社を受けます。よって、いい人材に限って複数内定し、人材側から企業が蹴られた場合の「保険」となります。

Notebooks 方眼ノート

 

今回は以上です。

寒くなってきました。

今日明日の休日、ゆっくりお休みください。