投資信託を暴く

販売会社・投資信託会社等に勤務する仲間がチームで書いてます。

知られざる投信会社のお仕事!投信会社の営業って何やってるの??①

日本円 新紙幣 new Japanese yen bank bills

前回はファンドマネージャーのお給料について紹介しましたが、

 

hatekinyu.hatenablog.com

 

今回は営業です。

この人たち、業界の外の人には何やっているのかわからないかと思います。

投信会社の営業は、いわゆる間接営業、メーカーの営業みみたいなもんです。

つまり、投信会社はメーカーであって証券会社や銀行等はスーパーみたいなもん、投資家に対しては一部の投信会社を除いて投資家には直接販売しないわけです。

※実際に投資家の皆さんに投信を売るのは、証券会社や銀行等です。

※銀行等にはメガ、地銀の他、信金、信組、農協等を含みます。

 

その仕事は大まかに言うと、新規商品のニーズ集めとその社内へのフィードバックや調整、新規と既存商品の提案、商品が証券会社や銀行等に採用されたら社内を調整した上で販売促進活動を展開、継続したアフターフォローなどです。

 

ここに投資信託協会のリンクを載せます。

www.toushin.or.jp

※投信会社で働きたい就活生・転職希望者はここにあるエクセルはざっと眺めた方がいいですよ。

 

このページにあるB-3のエクセルを開いて、一番右のK列「純資産総額」を最大から最小(降順)で並べ替えします。

上位の投信会社と下位の投信が並ぶわけですが、この上位と下位の会社を分けるのはひとえに営業の力です。

ここでいう営業の力とは、営業個々人の力もそうですが、その会社の営業政策全般を指します。

 

これ以下は、あくまで本ブログの筆者チームによる勝手な見解ですので、直截的な書き方になりますが、怒らないでください。

 

1位〜6位の会社はETFを設定している会社もあるせいか、圧倒的に残高が大きい上に(5位と6位は残高に結構な差がありますが)営業担当者の能力も高いと感じます。

ちなみに7位の会社は投資顧問や私募投信の業務を含めると日本ではトップクラスの大手ですが、このブログで触れる主に個人投資家を対象とした公募投信の世界では、合併前2社は中堅でしたので中堅としています。

また、4位や6位の会社は合併前2社も大手と言えましたので大手としています。

基本的にこの投資信託を含む資産運用会社は、ここ数年で①合併や②親会社の業務を移転されて水ぶくれした会社が多いことが特徴です。

例えば4位や6位の会社は①で、5位や7位の会社に至っては①と②の合わせ技で、特に5位は3社もいっぺんに合併しちゃって、さらに親会社格の会社から業務を移転しています。

 
やはりどの業界もそうですが、この業界でも大手の営業マンの能力は総じて高いという印象です。

 

7位以下の会社は大小様々ですが、営業担当者の能力はそれほど高くなくどんぐりの背比べ状態という感があります。

どの業界の営業もそうですが、業界下位になればなるほどビッグビジネスの経験が無いせいか、営業担当者や社内その他部署も卑屈になりがちで、「山椒は小粒でもぴりりと辛い」は無いという印象です。さらには「さまざまな意味」で上位社の同職種で認識されている業界内の最新情報・動向に疎いと感じます。

誹謗ではなく、現実として感じます。怒らないでくださいね。ただし、一部の先進的な数社は別です。業界内の方ならお分かりですが。

(EUR3a) 2002 Vaticano: Citta'del Vaticano, Five Euro (A/R)...

そして、滅多にありませんが(給料も違いますので)、本当に時々こういうことを相談されることがあります。

証券会社出身者が「大手と中堅の投信会社に転職内定した。大手はちょっと活躍する自信が無いから中堅でトップの実績を上げて大手に転職しようと思うがどう思う?」と。

絶対大手です。

仕事は中堅以下よりむしろハードですが、お給料は総じて高めで、残高が多く組織もしっかりしていてトラブルが無ければ定年まで安心して勤められます。

この「組織もしっかりしていて」や後述の「人材レベル」については、投資家の皆さまもファンド選びの1つのポイントになるかと思います。その理由は別の回で別の人間が書きます。

そして考えてみてください。
聞いたことのない専門商社のトップ営業マンが三井物産伊藤忠に転職したなんて話聞いたことないですよね。中堅から大手への転職はまず無理で、中堅での実績は大手ではあまり通用しないのはこの業界でも同じです。

ただ、事務員レベルでは、中堅から大手に転職する例は時々聞きます。純粋な営業やマーケティング関連の部署は全く聞きません。

普段接する販売会社も違いますし、大手では20代で入社数年の営業が、新規ファンド設定の中心メンバーとして辣腕を振るって1ファンドで百億の設定を1年足らずで達成したりします。

さらに大手にいた経験があれば、そこで活躍が厳しくなったら中堅に行くことができるのは、この業界でも同じです。

また、同じ人に「中堅以下の方が会社の歯車にならず投信業務全般を学べるのでは?」という質問を受けましたが、安心してください。

中堅以下だろうと会社に勤めているのですから会社の歯車ですし、投信業務全般は大手から中堅以下に転職したときにみんな親切に教えてくれます。

この人には、最初から輝く大手で実績を挙げまくってくださいとアドバイスしました。

 

#Money will not make you #happier...#They #said.  But, I #thought that #money would, at least, #make you #smile...  #お金 はあなたが #幸せ にすることはありません。 しかし、#お金 は #あなた が #笑顔   になるだろう。 El #dinero no te da la #felicidad, pero al menos #puede #hacerte #sonreír. (^ν^)

さらに国内大手と外資の営業両方とも転職で内定したらどっち行く問題は、絶対に国内大手を勧めます。これも大手と中堅と同じことで、外資から国内大手に行くような例はほぼ聞いたことがありません。

詳細は省いた上にこれも私見ですが、その理由はやはり違いすぎる文化です。外資出身者は「自己中心的な方が多く社員間の和を乱す」「面接で言っていたほど実力が無いことがほとんど」という話も聞きますし、そもそも私の実感としてまず国内大手(または経験者)の社員の方が誠実で優秀と感じます。

なお、この業界では、かつて「証券会社、銀行系の投信会社の幹部は親会社からの天下りが多く、(特に国内中堅以下は)投信に関する知識や経験が足りない、だから業界の近代化が遅れていて・・・」などという批判めいた話が聞かれましたが、「バカ言ってんじゃないよ」と思います。

どの業界でもそうですが、大手であっても天下り幹部社員は絶対に必要です。なぜなら特にこの業界は、営業・運用・その他部署ともに、証券会社や銀行・同業他社等から流れてくる雑多な転職者が仕事を回す中心になっています。さらに当局からの規制やコンプライアンス面での要求が年々強まっています。

そのせいか、この手の天下り幹部社員がいないと組織としての体裁・規律が保てないのです。

この業界は、以前書いた通り日本で一番の高給取りな業界ですが、運用・営業・その他スタッフ部門(フロント・ミドル・バックなどという曖昧な言い方もありますが、分かりづらいのでこのブログではそのような表記はしません)ともに組織人として幼稚な人が非常に多い傾向があると思います。人材面で脆弱な国内中堅以下ではなおさらです。

英語さえきちんと習得していれば、中年になってお金が欲しくなったら外資系には行けますので安心してください。人材の流動性がただでさえ高い業界で、輪をかけて中途採用を募集している印象です。

転職のパターンとして、国内大手→中堅以下または外資系、もしくは中堅以下↔外資系というのが実態かと思います。

 

中堅以下に入ったけどもっと上に行きたいという向上心がある方には・・・残念ながら、とにかく今いる会社で卓越した実績を挙げて、頑張って会社そのものを大きくしてください!とアドバイスします。
上に書いた通り外資には行けますし、外資の方も中堅なら転職できます。なぜなら、組織が不安定で個人プレーに頼らざるをえないという共通点があり、結果として人材レベルも似たりよったりという現状があること、これはどの業界でもそうだと思います。

しかし、この業界は基本的にBtoBで、接する機会の大小はあれど販売会社は証券会社と銀行等という超狭い業界なので、中堅以下の会社でも一時的に業界大手を脅かす奇跡的なヒット商品が出る(こともある)という、夢がある業界なのです。


以上、多少過激なことを書いたかも知れませんが(結局はどの業界の営業でも共通なことばかりでしたが)、あくまで筆者チームの私見です。

今日は休日ですので、筆が進みましたが、辛辣に書きすぎました。

明日続きを書きます。